文鳥はつと 嘴 ( くちばし ) を餌壺の真中に落した。そうして二三度左右に振った。奇麗に 平 ( なら ) して入れてあった粟がはらはらと籠の底に 零 ( こぼ ) れた。文鳥は 嘴 ( くちばし ) を上げた。 咽喉 ( のど ) の所で 微 ( かすか ) な音が